野菜を育てるのは楽しいですが、野菜栽培と切っても切り離せないのが害虫や病気の悩み。
農薬や防虫剤を上手く利用することも1つの方法ですが、できれば環境や身体に良い栽培がしたいもの。
そこでお伝えしたい方法が「コンパニオンプランツ」です。
特定の植物を一緒に植えることで、病害虫の問題を解決し、野菜の収穫を増やすことができるのが「コンパニオンプランツ」。
今回は、野菜栽培におけるコンパニオンプランツの効果と組み合わせ種類をご紹介します。
コンパニオンプランツとは
コンパニオンプランツとは、互いに近くに植えることでお互いに有益な影響を与える植物の組み合わせを指します。
この方法は、農業やガーデニングでよく使われており、植物の成長を促進したり、病害虫を抑制したり、土壌の栄養を改善したりする効果があります。
【メリット】 1.病害虫の抑制 特定の植物は害虫を遠ざけたり、良い虫(天敵)を引き寄せたりすることで、他の植物を守る役割を果たします。 2.土壌の改良 豆類のような植物は、土壌に窒素を固定し、他の植物の栄養を向上させます。 3.成長促進 一部の植物は、他の植物の成長を助ける化学物質を分泌します。 |
ただし、コンパニオンプランツの組み合わせには科学的根拠があるものもあれば、経験や伝統に基づくものもあります。
すべての組み合わせが必ずしも成功するわけではないので、自分の庭や畑で試行錯誤しながら最適な組み合わせを見つけることが重要です。
コンパニオンプランツの知識を活用することで、自然に優しく、持続可能な農業やガーデニングを実践することができますよ。
コンパニオンプランツ組み合わせ紹介
コンパニオンプランツの組み合わせにはさまざまなものがあります。以下に、いくつかの代表的な組み合わせをご紹介します。
【トマトと相性の良い組み合わせ】
①バジル
トマトの風味を向上させ、害虫(特にアブラムシ)を遠ざけます。バジルはトマトの健康を保つ助けにもなります。
②ニンニク
土壌中の病害を抑制し、害虫(アブラムシやダニ)を遠ざける効果があります。
③マリーゴールド
根にいる線虫を抑制し、トマトの健康を保つ助けとなります。また、その他の害虫を引き寄せて捕らえる効果もあります。
④ニンジン
ニンジンは土壌を柔らかくする効果があり、トマトの根の成長を促進します。また、互いに栄養素を競合しないため、相性が良いです。
⑤パセリ
トマトの成長を助け、害虫(特にアブラムシ)を遠ざけます。
⑥タマネギ
トマトの根元に植えると、害虫を遠ざける効果があります。
⑦レタス
レタスはトマトの根元に植えることで、土壌の水分を保持し、雑草の成長を抑える効果があります。
⑧ホウレンソウ
トマトの根元に植えることで、土壌の水分を保持し、雑草の成長を抑えます。また、土壌の栄養を改善します。
【きゅうりと相性の良い組み合わせ】
①マリーゴールド
土壌の線虫を抑制し、害虫を引き寄せます。
②ナスタチウム
アブラムシを引き寄せるトラップ作物として機能します。
③ディル
有益な昆虫を引き寄せ、害虫を遠ざけます。
④バジル
害虫を遠ざけ、成長を助けます。
⑤トウモロコシ
キュウリのつるが巻き付く支柱として機能します。
【ナスと相性の良い組み合わせ】
①マリーゴールド
根にいる線虫を抑制し、その他の害虫を引き寄せて捕らえる効果もあります。
②ナスタチウム
アブラムシを引き寄せるトラップ作物として機能します。
③バジル
害虫を遠ざけ、成長を助けます。
④タイム
成長を促進し、害虫を遠ざけます。
⑤ニンニク
土壌中の病害を抑制し、害虫を遠ざけます。
各組み合わせは特定の環境や条件下で異なる結果をもたらすことがあるため、実際に試して最適なペアを見つけましょう。
避けるべき組み合わせ
相性が良い組み合わせがあるように、反対に避けるべき組み合わせも存在します。相性の悪い組み合わせは、互いの成長を阻害したり、病害虫の被害を増やす可能性があります。
以下に、夏野菜と避けるべきコンパニオンプランツの組み合わせをいくつか紹介します。
【トマトの避けるべき組み合わせ】
①ジャガイモ
ジャガイモはトマトと同じナス科の植物であり、同じ病害虫(特に疫病)にかかりやすいです。また、互いに栄養を競合します。
②トウモロコシ
トウモロコシはアワノメイガという害虫を引き寄せ、トマトにも害を及ぼす可能性があります。
【きゅうりの避けるべき組み合わせ】
①ジャガイモ
ジャガイモはキュウリと競合し、互いに成長を抑制することがあります。
②ハーブ類(特にセージ)
セージはキュウリの成長を抑制することがあります。
【ナスの避けるべき組み合わせ】
・ジャガイモ
ジャガイモとナスは同じナス科の植物であり、同じ病害虫にかかりやすく、互いに栄養を競合します。
【その他の避けるべき組み合わせ】
・ニンニクと豆類
ニンニクは豆類の成長を抑制することがあります。
・タマネギと豆類
タマネギも豆類の成長を抑制することがあります。
まとめ
今回はコンパニオンプランツについてご紹介しました。
それぞれの野菜が持つ特性を上手く活用し、人工的なものに頼らずに病害虫対策をすることができる手法ですので、スペースに余裕のある方はぜひ挑戦してみてくださいね。
育てる予定のなかった草花の新しい魅力に気が付くきっかけにもなるかもしれませんよ。