冬でも油断できない害虫とその対策方法

冬でも油断できない害虫とその対策方法

春夏に比べて害虫被害が少ない秋冬野菜。

冬の寒さで活動が制限される害虫が多いですが、それでもいくつかの害虫は活動を続け、野菜に被害を与えます。

また、土の中には暖かい春に向けて卵が潜んでいることが多いため、今の時期に対策をしておくことがとても重要です。

今回は冬場に気を付けたい害虫と、卵にうちにやっておきたい対策方法をご紹介します!

目次
冬場に気を付けたい害虫
害虫の対策方法
害虫をつきにくくするアイテム
まとめ

  

冬場に気を付けたい害虫

冬場の畑でも特に注意が必要な害虫をいくつかご紹介します。

キャベツやブロッコリーなどの葉野菜には、キャベツガモンシロチョウなどの蝶の幼虫が被害を与える可能性があります。これらの幼虫は葉を食べてしまうため、植物の成長や収量に影響を与えます。

ニンジンやダイコンなどの根菜類には、キュウリムシアブラムシなどの害虫が根部を食害します。根菜は土の中なので気が付きにくく、形が歪んだ野菜や十分に成長できない野菜を収穫することになってしまいます。

レタスや白菜などの葉野菜には、ヨトウムシハムシなどの地中の害虫が根を食害し、気が付かないうちに葉の内部に侵入してしまう可能性も。

また、冬場でも温暖な地域では、ナメクジハダニにも要注意です。

意外と冬の間も気が抜けないのことがお分かりいただけたかと思います。これらの害虫から野菜を守るためには、冬場でも定期的な観察と適切な管理を行い、畑の健康を維持することが大切です。

  

害虫の対策方法

では、幼虫や卵が潜んでいる冬の土壌でできる具体的な対策方法をご紹介します。

このひと手間で春の害虫被害に大きな差ができるため、冬のうちに必ず行っておきましょう。

 

1.冬越しをさせない

虫の被害に遭っている野菜を見つけたら収穫して冬越しさせないようにしましょう。

白菜などの葉野菜が被害に遭っている場合は、内部にヨトウムシなどが高確率で潜んでいます。放置すると内部で冬越しをして、どんどん葉野菜を食害します。

寒さが厳しくなるとどんどん白菜の内部に入り、そのまま土の中に潜り込んでしまうと蛹になり、成虫になるまで育ってしまう可能性も。

被害に気が付いたら早めに収穫して、被害を最小限にとどめましょう。

 

2.寒起こしをする

「寒起こし」とは厳寒期に土を40cmほど掘り起こし、深い場所にある土を冷気に当てる作業です。厳寒期の低温を活用した土の消毒方法ですね。

土の中に含まれる水分が、夜には凍り日中には溶けるということを繰り返すことで病害虫が死滅して土壌の団粒構造を取り戻し、サラサラな状態の良い土にすることができます。

土を掘り起こす際に、ヨトウムシの蛹や幼虫を発見したら捕殺しましょう。そのまま放置しておくと再び土に潜り込んで逃げてしまうので、注意してくださいね。

蛹の場合は捕殺することができなくても、寒冷期の冷気で死滅するので寒起こしが非常に効果的です。

 

3.肥料を減らす

夏野菜を育てた後など、残肥として畑に肥料が残っていることが多いです。窒素分が蓄えられていると、ヨトウムシなどが発生しやすい土壌になります。また、その土で野菜を育てると害虫被害も多くなってしまいます。

予防として、野菜作りがひと段落する冬の間にも葉物野菜などを育てて、土壌に蓄えられた窒素分を使うことがおすすめです。

春からの害虫被害が多い場合も、少し肥料を抑えて害虫が発生しにくい土壌にしていきましょう。

 

4.熱湯消毒

プランターの場合に限りますが、たっぷりの熱湯をプランターの土にかけで害虫を死滅させる方法もあります。

この方法で害虫を死滅させると、合わせて有益な微生物を死滅してしまうのでは?と不安になる方もいるかもしれませんが、春頃になり気温が上昇すると微生物はまた戻ってきてくれるので安心してくださいね。

 

害虫をつきにくくするアイテム

ホームセンターには害虫対策アイテムがたくさん販売しています。

土壌での害虫対策をしたうえで、さらに虫がつきにくくするために以下のアイテムも上手に取り入れていきましょう。

 

1.防虫ネット

野菜に直接ネットをかけて昆虫や鳥などの害虫や害獣が野菜に被害を与えるのを防ぐ防虫ネット。

防虫ネットを使用することで、化学薬品に頼らずに害虫をコントロールすることができます。これは、有機農法や持続可能な農業の推進にも役立ちます。

防虫ネットは劣化しやすいため、定期的に点検し、破損や穴がないかを確認し、虫が侵入できる隙間を与えないことが重要です。

また、網目の細かさによって虫よけできる虫の種類の変わるので、防虫したい虫よりも細かい網目の防虫ネットを用意しましょう。

 

2.忌避剤

忌避剤は、液体や粉末として、散布機やスプレーボトルなどを使って野菜に散布します。野菜の周囲や上空に霧状に散布することで、害虫や病原菌が接近するのを防ぎます。

市販で環境に優しい原材料を使用した忌避剤もありますが、にんにく、唐辛子、酢など家庭にある材料で手作りすることもおすすめ。

忌避剤は、野菜に直接散布するため、収穫された野菜への残留物が比較的少ないことも安心です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は冬に行うべき害虫対策をご紹介しました。

野菜栽培と害虫は切っても切り離せない関係ですが、虫とも共存しつつ美味しい野菜を作れたら良いですよね。

1番の害虫対策は、毎日畑や野菜を観察していつもと変わった様子がないか確認し、被害が大きくなる前に気が付くことです。

少しずつ暖かくなってきましたので、虫も活発になってきます。今回の対策方法をぜひ参考にしてくださいね。

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